自然

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テーマを絞る…言葉、、、形にならぬもの。。。不確かなもの。 だから何だと言うのか。体系立ててことを理解する有用さ。輻輳させて響く音。ワンテーマ、そして自分から突き放して現れる複数の姿。これを三人称の効能と呼ぶか。自らとは何か、、、語り得ぬも…

「ところが」

ところが、先ほどまでニヤニヤ笑いを浮かべていたはずだが、彼が指先に示したのは黒く汚れた人差指の爪と自分の家の黒白垂れ幕だった。こちらとしては、今日が彼の父親の葬式だと知っている。彼がなかなか風呂に入りたがらない無精者なのも。 新三郎なんて、…

受肉

理屈よりも体感が先立つのであれば、創世記に描かれる人間の誕生もまたドグマティックなのだろう。女性は男性の肋骨より作られたという。骨は論理であるとすれば、受肉が先立つのではないか。もっとも、ここではキリスト教的論理展開を目指すのではない。厳…

不可視への道行き

この世は――あえてそう言おう――この世は、感情だけである。感情、その一語に尽きる。私の生きている世界、私の生きていると思っているこの世界、私が想い描いているこの世界という場、私のこの頭の中の全ては、感情でしかあり得ない。合理的思考、本能、知性…

ジュゴン

二巡目。ジュゲジュゲゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴスロリ素晴らしい。フムウ…どうやらあなたには身をもって分かってもらう必要があるわね虫虫しているのだから夏かと思ったのだけど、こないだ枕の下に髪の毛が入っていてムカデになっ…

ススメススメ

のろのろ歩いて。ささっと身を格下。のけぞってしまった。だって。出発進行。しゅっぱppっぱpっぱpっぱpっぱっぱっぱっぱ進んでいった。なんぜか分からない。あの人が知ってる。ぼくは信仰しただけ。お空に昇って行っただけ。カメとお日様とコインがチ…

動機作りの資材

続いて、これらの資材となりうるものを検討しよう。即座に答えを言語化する愚をけっして犯さないこと。タバコをあとひと月でやめる、ということ、精神的な側面に限りなく近づいて検討を行うこと。言語化の愚については、倫理的なものがあると感じている。そ…

動機に関すること

分からんこと、極まる拙さと分かって言おう。 エネルギーが残っていた。あるいは自己肯定感とかいうものが若干あった。それは、精神状態のよさとも言い表すことができよう。ここで持ちあがる懸案一つ。これまでに、そして今も同様にできないことがあった。ス…

木々の客人

あのようであれ、このようであれ、どのようであったとしても門に到る者は少なく、糸くずを足元に散らせながらあるいはどうしても鳥の囀りに耳をそばだてることをやめることができずに樹木の枝にからめとられてしまう者たちのなんと多いことか。盛りとはいえ…

はじまりかもしれないもの

予定の時刻までまだ余裕があるのを理由に、コタツに体を差し込んで目を瞑っていた。夢を見た。バイクで見知った道を走っている。運良く信号も渋滞もなく、時速6、70km位は出ていただろうか。車の脇をすり抜け、空いた道路を延々と走っていく。不思議なくらい…

よしなしごと

指示代名詞や指示語を使って、あたかも自分が特定のものを意識していると思いこませている。「それは」「その」…そこで指していると思っているものはどこにもない。「想定している」だと?いつも屁理屈を捏ねては正当化しようとする。誰も支持していないのだ…

遠く離れた私たちへ

それが何を意味しているのか、今では分からない。私が今まで見てきたもの、感じたもの、全て自分の中に残って、私のものになっているのだけど、あまりにも身近すぎて、それは「私」というものとしてここに……たぶんここにあるのが、あの……何だったのだろう………

朦朧、茫洋、散逸、拡散

この一日朦朧としていた。人の話を聞いてもそれが言葉としてではなく、色づけされた映像として映りこむ。一体何の話をしているのか…これはもはや夢物語だ。パニック障害の方が不安に身を震わす姿、その訴えは目の前のプリンタが何枚ものセロハンテープを張り…

こんな夢を見た

当時私は太っていた。三十も半ばにさしかかり、私の腹は脂肪を醜くも蓄えて膨らみ、垂れ下がってゆく。臍から下に続く一筋の小道と、その筋から点々と生えた黒い毛は、まさにこの私の躰のおぞましさを弥増している。 私は、一人の女に出会った。40を過ぎてい…

家を建てる2

見よう見まねで集めたものは、うち捨てられた廃材からいくらでも手に入った。新聞紙に厚紙、厚手の毛布も手に入り、これで床は何とかなりそうだ。さて、さっそく家を建てよう。俺は、空地の片隅に厚紙を敷き、その上に新聞紙と毛布を重ねた。次は柱だ。しか…

家を建てる(not鈴木志保)1

俺は家を建てようとした。風雨の中でもそれなりにやっていけるし、食い物はゴミ箱を漁っていれば何とかなっていた俺がだ。俺はそれで満足していた。しかし、周りの奴らは家が欲しいとぼやいていた。ついに、知り合いの一人がこつこつと貯めたその金で家を建…

捧げもの

ヴヴン。汚物にまとわりつく悪魔の配下の訪れが聞こえる。私は耳を塞ぐ。何ものも私に干渉できぬよう、耳を無益にせしむべく塞ぐ。強く強く掌を押し付けていると、耳の奥から羽音が響く、ヴヴン。背筋に冷たいものが走り、我を失った。耳の奥の渦巻きになっ…

桃の入口

桃李園、紙屑に飛沫を跳ね散らして車は視界を塞いだ。新たな傷をこさえた借り物の乗り主は蒼ざめている。もう少し進めば黒雲が辺りに続くだろう。馥郁とした桃を携えた新妻は、光る携帯を手に取って見た。危うい、半端な誂え物の光は桃を彼女から奪ってしま…

御陵にて

この腐れた扉を叩くのは誰か。崩れ落ちるのを分かっていながら叩いているのだ。跳ぶが如くに跳ね馬の姿が焼きつき、名だたる武将も散ったそばに、あの着ぐるみ女はいた。先のことを何も知らず、その石段の前で跪きよよと泣いておればいいものを、この世は吾…

いらばし

それでは私は怨嗟の声をあげよう。 おぎゃあ、いぎゃあ、ああ。ああ、ああ。短い時ではあったけど、なかなかに滋味豊かな舞物であった。人々を喜ばすためにしつらえられたこの舞台もまた、賞讃の晴れ舞台である。今なお栄光にすがりつく亡者もまた、私の味わ…

氷是なりコレラの愛

小野が辞し、吾れも乞う、先に見で、粗糖の湯葉、決まりのこと、みずいてや、きまし日増しきもの鳴らせば、さらにはと鳥の黄に舞わん。と鳥の烏の、烏の鳥の、利尻を地は過ぎ、野は幕張。子をなすやも小鳥の先の和の西に、軽くものしけれ、宿六は西に傾き、…

イテリアレルラ、薇全能、Yenthlenkirokと呼ばれた人たち

イテリアレルラ、じぇんまいじぇんのう、イェン・トゥー・レン・キルークと呼ばれた人たち。同一の存在、世界の各所に現れては姿をくらます泡のようなもの。さまざま異なる文化が様々異なる名をあたえ、底流するものに溢れんばかりの想像の極みを飾り付ける…

脳の鍋、ねば

追い詰められた状態、季節柄この異常な暑さ、知人に忌憚のない意見を言わせたとき、久しく籠った先に喰ろうて頭の中にウジがわき出す。気にしなかったら負けである。脇の下にムカデを喰いつかせて放っておいているのと同じである。なぜ痛いのか考えるべし。…

供物、神の腹

イェルゲレクの長たる我執が妨げになっている。息子たちはそれをすでに知っている。長としての特権はもはやなく、文化面でも衰退した結果の麗しき反映と見るのが適当だ。本来ジグリットは自ら投げ出して古き都市に捧げる子羊を剥がねばならなかったのだ。長…

石つみ歌

gadzunt.som-onn,da.kirmaji le iasog. 不透明なまま。開明であるかどうか、二元の云々を論じるにこだわるのはいくないと思う。放っておくことはできないのか。 「せんせー、虫を観察するような目ーしたはる」 夏のうだるような教室で、機嫌の悪い生徒をなだ…

缶詰の人

いばらの園をねー、歩いとったんですよ。そしたらね、いきなり目の前で誰かが寝っ転がっとりましてね、ええ、私ゃびっくりしましたよ。だいいちこんなところに私みたいな奇特者以外誰もこんだろうと思ってましたからね。その寝っ転がってる奴ってのが、どう…

付喪神の脹脛(ふくらはぎ)

探し物を求めているとコトリ、と音を立て、私が振り返ると、何かが足を生やして逃げて行った。鼠でもなし、人のように立て足であった。五寸ほどの小さき人。これが世に言う付喪神だろうか。細く筋張った脚に、針金のような脛毛がごわごわと生えていた。それ…

報道陣の憂鬱

カリアストラの再興運動について*1。かねがね筆者が気になっていた、セグメント・ソラウェイの話し合いが本日行われた。個人的にはメンスタなのだが、意外にもビルセとしての姿勢を強調する美倉亮弍(43)氏の発言は痛快極まりないものであった。彼の発言は…

komati

精神的な、というか思弁的なことを話題にするのは限界がある。当然のことながら言葉は具体を伴わなければ想像の幅が狭くなり、そして書く側の想像も限界を見せるようになる。植物に水をやらないようなものか。言葉は枯渇化する。そして同時に魅力を失い始め…

ケチャップの本当の食べ方

私はケチャップを口開いた。 赤と呼ぶには優しすぎ、オレンジと言うにはまだ赤過ぎる。いわんや朱色をや。かような食えない色ではない。敢えて言えばそれはケチャップの色、すなわちケチャップを独自たらしめている色、cat‐chap soulの色であると言いたい。 …