2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

小説3

しかし、朝は同じように生きとし生けるもの全てに降り注ぐ。 昨日の夜の悪夢を、あまりにも強烈な光で覆い尽くし、消し払う。 私はいまだに夜の傷を――傷とも言えないような、内発的な欠陥の発露を――、抱えていた。 明るい場所にでると、傷は後ろめたさを残し…

小説・2

目を閉じた次の瞬間、覚めていた。朝が来たのだと思った。 体にこびりつく疲れを感じて布団から身を起こす。その瞬間が今までになく辛かった。 いつものことだ、そう言ってしまえばよかった。また今日も始まり、何とかやっていけるだろうし、いつのものよう…