2008-01-01から1年間の記事一覧

小説3

しかし、朝は同じように生きとし生けるもの全てに降り注ぐ。 昨日の夜の悪夢を、あまりにも強烈な光で覆い尽くし、消し払う。 私はいまだに夜の傷を――傷とも言えないような、内発的な欠陥の発露を――、抱えていた。 明るい場所にでると、傷は後ろめたさを残し…

小説・2

目を閉じた次の瞬間、覚めていた。朝が来たのだと思った。 体にこびりつく疲れを感じて布団から身を起こす。その瞬間が今までになく辛かった。 いつものことだ、そう言ってしまえばよかった。また今日も始まり、何とかやっていけるだろうし、いつのものよう…

承前・小説

彼は、自分が年老いた姿を夢見た。 年老いた自分は独りごちる。 ――世界を手に入れられないことなど初めから分かっていた。 しかし、私はそれでも呑みこもうとせねばならなかったのだ。 その結果が、このざまだ。 いったい私は何をしたかったのだろうか?―― …

グルグル3話、口のブツブツ

死にたい。この言葉は口にすることがなければ体の奥底に沈潜し、さまざまな思いを募らせて毒々しい色に染まってゆく。そもそもそれを言わせる自身が一言で済まされることのないバックグラウンドを持っているのがそもそもの原因であって、「死にたい」なんて…

殺しあむ

遅すぎた5月病。 秋に訪れる狂った空虚感は、 たぶん持ち越されることで 腐り果て、 救い難い渇望を 私に もたらす。 死にたい。あれがほしい。穴を埋めたい。 あらゆる 方向 への 渇望が 飲み込もうとする。 その真ん中で私は、 何んにもできずに 佇んで居…

中毒ピーク

ほんとにやばい。やばいっておれ。マンガ今月になってどんだけ買ってんですかって話。まじで。どうしよう。食費をきりつめなきゃ。マジ俺死ねる。本業やってないおれ。きもい。なんでこんなに浪費癖あるんだろう。映画の次はマンガかよ。どうかしてるよ。三…

御腹立ち・承前

お前の言うことはさっぱりわからん。私にそう言い放った奴がいた。 正直、三べんも説明をさせたのにそんな仕打ち受けるとは思っていなくて、でもどこかで想像していたような気もする。あいつの名前も三田だ。それを分かっててこんな下らないことを仕掛けたの…

関白宣言

今からかわいそうって言った人しばきます。

高潔を自慢するなバカ。

最近節制にこだわっている。貧乏者の遠吠えと断ずるなかれ、これはわが挑戦なのである・・・なんてバカなこと言っているとだんだん狂気じみてくるので初めは言わないでおこう。ともかく、素食、粗食いずれを示すのか分からないが体に張り付いたクソ豚の明石…

同じ皿の何が悪いか

自分のお料理日記を見ていて思うのがまず、皿がすべて同じだということだ。別に自分自身気にしていないのだが60がらみの小父様が右手でぼやいておられたことを思い出す。家内が毎度毎度の食事で同じ皿を使うたり、家族で別々の食器を使うというのだ。それが…

朝から煮物

朝から喰い過ぎた。胃袋が張る感覚は好きではない。朝食にイワシの煮物を作る。小イワシ4尾(99円)、大根1/8(20円)、白ネギ1本(68円)を使う。水150cc、粉末出汁1/8パック、酢大さじ4、酒大さじ2を溶いたものにぶつ切りのイワシとイチョウ切りの大根、白ネギの…

四目きんぴらの章

自分で料理するというのはなかなかいいもので、何を措いても出てきた料理に遠慮なくおもくそ文句が言えるというのが一番いい。自分の作った料理がうまい、なんていうのは手練れの言う台詞だ。しかし前回のはまずかった。塩辛いのが泣けてきた。セルフSMは嫌…

敬語のお願いします。

皆サンは神様です。私は虫けらです。私みたいな人間が皆サンに口をきいていいわけがありません。恐れ多くも人間様に虫けらが話しかけることなんて許される事じゃありません。でもどうしてもお伝えしなければいけないことがあることだってやはりあるんです。…

刃物はシンプルであるほどよい

私は、自分が思っている以上に知能が低いのだろうか。昔から劣等感に敏感なくせに人に即座に言い返すほどの機転がなかった私が今更になって言葉を操ることで人との優越性を取り戻そうと考えるのは納得がいく。知っている生硬な熟語ばかりを使って「頭が良さ…

せんだっての稽古

剣道の練習では六段落ちた人に「お前下手になったな」といわれる。てっきり合格したと思っていたし稽古中にも何も言わなかったのでこれが大人の風格かと思っていたが、つまり好意的に見れば審査を経て目が肥えて注意鋭敏になっており、正直自分が稽古時間中…

今日のランチ(笑)

食費をひねり出すのがもったいないので自炊を始め、レパートリーがないのでクックパッドを参考に料理三昧。煮物は面倒という偏見により、当分は炒め物、手を替え品を替え。一日二食のせいか運動していないからか、かつて脱臼した右膝が痛むがしばらく栄養を…

新たな神話の余地として

「機械仕掛けの神々は、真に神格的存在たろうとしていた」 アドニスが言った。べルは悲痛を堪えてアドニスを見つめ、その言葉に聞き入った。 「だが――俺達が自らの由縁を求めようとしたとき、神は支配の方法に迷い、己の存在に対する飢えに狂う……ベル、お前…

ダビド先生の新学期(下ネタ)

(夏休み明け初日。教室はフワフワと何やら落ち着きのない雰囲気。ダビド先生が教室に現れる)ハイ、コンニーチハ。皆サン元気にしていましたカ?先生は元気でシタ。特に下半身がネ。(男子生徒一部大爆笑。女子生徒一人を除いて全員どん引き。奇声をあげて笑…

付け加え

アンサイクロペディアで「読みにくい文章」を観た後に自分の文章を読むと、ひっでえことになってんなあ、というのがよく分かって悲しくなる。

宮本大人氏の「ポニョ」評について

少しナイーブなことを言ってみよう。宮本大人氏の「ポニョ」評を読んで久々に泣きそうになった。 彼の言葉には、直観的な言い方をすれば、未来へ向かおうとする肯定的な意思がある。それは文章を読む者にとっては心地よいことであり、また救いでもある。本当…

哲学とマイク・タイソンの問い

マイク・タイソンは服役中に哲学書を読み漁ったと聞いた。そして彼の諸哲学に対しての答えは、「そんなことあたりまえじゃないか」というものだったらしい(要出典)。この感覚に対して何を思うか。人の生、日常の当り前のことに対して知的な側面から徹底的に…

他者との出会い、主体の生起

上記とは別件。内田樹『レヴィナスと愛の現象学』p.70 l.4-12 レヴィナスが「倫理」と呼ぶのは、この「曝露のモード」を選び取る、と言う決断のことである。いや「選び取る」という言い方はすでに適切ではない。「倫理」に先立って他動詞的な能作を行い得る…

懐郷のきもちよさ、のようなもの

かつて失ったと思っていた情動が映像によって呼び起こされる時、私は揺り動かされる。 耳でも舌でも肌でも鼻でもなく、私が取りつかれているのは目だ。目から入る刺激が私を支配している。それはつまるところ私が思索には向いていないことを示すのかもしれな…

冷やせよ我がグズグズ脳みそ、と彼は言った

大学購買の書籍コーナーに久々に行ってみてショックを受けた。こんなに快適な空間であったのか。適度に効いた空調と、本を読むに十分なスペースがここにはある。誰も自分の趣味に興味をしめすことがなく、全く自由に本を読んでいられる。無駄な鳩胸がウキウ…

グンゼ!!グンゼ!!

世界はグンゼで出来ている!下穿きがなければ文明社会の一員というのも少し難しくなってくる。抜群の出来のグンゼ。あなたも穿かなければ損をする。もう一度言う。世界はグンゼで出来ている!イエス!!タビー、タビー、Woooooタビー!!*1 世界は偶然で出来てい…

氷是なりコレラの愛

小野が辞し、吾れも乞う、先に見で、粗糖の湯葉、決まりのこと、みずいてや、きまし日増しきもの鳴らせば、さらにはと鳥の黄に舞わん。と鳥の烏の、烏の鳥の、利尻を地は過ぎ、野は幕張。子をなすやも小鳥の先の和の西に、軽くものしけれ、宿六は西に傾き、…

ヒグラシの波

深夜、外で知人との会話が途切れた。その遠くでヒグラシの鳴き声が聞こえる。モーターのうねりのようにも聞こえ、町中のどこから聞こえるのか、といぶかる。鳴き声はやむことなく、数百匹、数千匹と思しきヒグラシは波が打ち寄せては返すように響き渡る。い…

イテリアレルラ、薇全能、Yenthlenkirokと呼ばれた人たち

イテリアレルラ、じぇんまいじぇんのう、イェン・トゥー・レン・キルークと呼ばれた人たち。同一の存在、世界の各所に現れては姿をくらます泡のようなもの。さまざま異なる文化が様々異なる名をあたえ、底流するものに溢れんばかりの想像の極みを飾り付ける…

「分からないこと」を隠す人

『何』は私の口癖。まわりのことはよく分からない。相手が何をしてるのかわからない。自分が何を考えているのか分からない。自分のやっていることに何の意味があるのか分からない。全部はっきりした答えはない。だから、『何?』『だから何?』誰も答えを知…

テスト2

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