2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

木々の客人

あのようであれ、このようであれ、どのようであったとしても門に到る者は少なく、糸くずを足元に散らせながらあるいはどうしても鳥の囀りに耳をそばだてることをやめることができずに樹木の枝にからめとられてしまう者たちのなんと多いことか。盛りとはいえ…

はじまりかもしれないもの

予定の時刻までまだ余裕があるのを理由に、コタツに体を差し込んで目を瞑っていた。夢を見た。バイクで見知った道を走っている。運良く信号も渋滞もなく、時速6、70km位は出ていただろうか。車の脇をすり抜け、空いた道路を延々と走っていく。不思議なくらい…

「神的批評」読前

何をもって時代錯誤だというのか。それは、現今の問題群に対して提示する回答の1つとして不適格なのか。 「神的批評」の評価は二分される。1つは全体にゆきわたる著者の意気込み、熱っぽさを肯定的に受け止めるものとして、もう1つは「われわれは〜すべき…

漫画家漫画

「漫画家漫画」(ねむようこ「ペンとチョコレート」1巻あとがき)と言われる作品を、思い出すだけ挙げていこう。 「美代子阿佐ヶ谷気分」(安部慎一) 「描かないマンガ家」(えりちん) 「バクマン」(大場つぐみ、小畑健) 「平成マンガ家実存物語 おはようひで次…

ノルウェイの森

「ノルウェイの森」原作読了。映画を見るにあたり、原作から感じ取る印象を書き留めておく必要がある。とかく人はものを忘れやすく、私自身もこのまま映画を見ることがあれば、小説と映画の差異を意識することなく「読み替え」を行うだろう。原作にこだわる…