老いとぜつぼう

私はしだいに老いてゆき、そして後悔と絶望を濃くしていくことだろう。
何もできなかったこと、何もしなかったこと、何もしてやらなかったこと。
これらは全て私の責のもとにあり、どれ一つとして報いることがなかった。

 

だれかのためになにかしてやりたいとおもったとき、それはつねにすでにておくれなのだ。まさに、「ひとのためになにかする」ということをはじめてしり、そしていままで、わたしがそのきかいをすべてみすててきたということをしるしゅんかんが、そのときなのだ。なんということだろう。なんというくるしみだろう。しかし、くるしみをくるしむことすら、わたしにはゆるされていない。わたしがじぶんのかんじょうをしることすら、まぎれもなくまんちゃくなのだ。
ぜつぼうせよ。くるしめ。それでもなお、おまえがぜつぼうをしることはなく、くるしむことはない。おまえはじごくにおちる。ただ、それだけだ。