2012-01-01から1年間の記事一覧

メモ

・欠落した者が書くという行為。それ自体で理解できるものではない。欠落者のなす物が欠落というわけではありえず、それ自体が完成されたものであるということ。欠落さえも完全性の要件であること。 ・また、それを書くことは仮想であり、仮想に仮想をつぐこ…

脇見と彼岸

傍から眺める、という所業。人の会話に傍耳立てて、あるいは自らの願望を隠しながらその道の者の活躍を眺める。いずれも、自らが当事者ではありえない。「なぜお前もそこに行かない?」行けないのだ、いや、行こうとしていないのだ。怠慢とも罵られよう。臆…

無理解の門

ようやく1つの節目がやってこようとしている。これを境に私の物のものの見方は変わってゆき、当時のことが分からなくなってしまう。事実関係が分からなくなるのではなく、そのときのニュアンスに近いものが失われてしまうのだ。それは僥倖でもある。塗炭の…

引用の長短について

しだいに、自分の言葉なぞ聞きたくもなくなるのだろう。聞きたくもなければ、語りたくもない。思考をめぐらせ、静謐の中に、多くの声を聴きとっているうちに、ふと我に返るとそれ以上の無音の内にあって、自分の声があまりに聞きなれたものでしか形作られて…

エヴァと、庵野監督について

エヴァンゲリオンに関する覚書の一つ。 以下の記事を見つけた。「庵野秀明監督 : 「ヱヴァ」進行状況を聞かれ立腹 「日プロ大賞」授賞式」 http://mantan-web.jp/2012/05/27/20120527dog00m200006000c.html 庵野監督は、主催者から「『巨神兵東京に現わる』…

何かを変わることなく続けられはしない。行きつけのパン屋だって、店をたためば、あるいは自分が行かなくなったらそれで終わりだ。終わることが問題ではなく、「終わらない」「ずっと続いてゆく」とどこかで思って終わりを迎えることが苦しい、というのだ。…

感情抑制の効かなさ

あるいは感情抑制の効かなさの自覚。自得した方法への信頼や依存がもととなり、周囲への不満が高じるケース多数。 ルールアウトと目される行為を行った者を以降もさらにマークし続け、以前は問題視しなかったケースをも殊更に取り上げようとする、など。 こ…

論理と、その外について

保坂和志の「考える練習」、第25回〜第27回の“それは「中2」の論理ではないか?”を読んだ。 思考の圏域は既存の物言いの中に縛られてしまっている(言語学者の誰だか忘れたが、言語が思考を制約している、というようなことを言っていたのを思い出す)。スラ…

PCのデータを消去する

●パソコンのデータ消去 ・現在使っているパソコンは、何年か前にウィルスに入られて、駆除したもののそれからどうも動きが遅い。VISTAが流通しはじめて間もないころに買ったこのパソコンも買い替え時。しかもディスプレイの電源が点いたり消えたりと、とても…

読み手への意識

読み手を意識しない、ということ。現在では、信じがたい背理ではないか。しかし、それが存在しうるというなら、言葉は極私的なかたちをもう少し追求していいのかもしれない。しかし、それほど個人の中に言いたいことがあるのか。「ブログに何を書けばいいの…

観念と活動と

「苦手」とされること。”慎重にものを言う、君が苦手だ”という風に言われた。自分にとって、答えが容易に得られると想定された問いは削り落とし、さらに問いを突き詰め、抽象的な問いのみを問うようにしていた。しかしこれを人に話した時、「観念的な物言い…

宗教の台頭

宗教の台頭もまた頷ける事象であるか。 ニーズと技術は時代を追って細分化を続ける。しかし全てのニーズに応え得る技術が出揃うことはない。現今の研究において、メタ的観点から事象を捉え直す作業が行われていることからもこれは明白であろう。すなわち、“…

車谷氏のお悩み相談について

車谷長吉は「悩みのるつぼ」という、投稿者の相談事に答えるというコラムを記していたようだ。 彼の口調に惚れ込んだ人は絶賛し続けるが、一方で、次第に「読む価値もない。同じことばかり書いている」と見放してゆく人もいるようだ。いかようなものか、私は…

「群盲象を撫でる」とholism

自然科学における分析的手法への批判は数知れず存在する。対象の特性を個々に挙げて、その集積が対象全体になるわけではない――という批判は、ゲシュタルト心理学でもその文脈に乗っていたかと思う。この例えに似て「群盲象を撫でる」という語がある。Wikiped…

馴れ合い

いかなる問題も難問である――これは私自身へ向けるべき言葉である。自分の能力を過信し、容易にできないことさえにも横柄な態度を取る、私自身へ。自らの領土が常に拡がっているという愚かな思い込みは、この世界への馴れ合いに通じ、感情的な態度が許される…

exposure,critics

批評。外からの目。自らが何かを発することに対する社会的反応を抜きにしておけないという感覚。自意識過剰とも言う。 とくに不特定多数からの視点を想定せざるを得ない環境で言葉を発するとき、それは独り言にはなりえない。言葉のカタチは聞きとられる。意…

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テーマを絞る…言葉、、、形にならぬもの。。。不確かなもの。 だから何だと言うのか。体系立ててことを理解する有用さ。輻輳させて響く音。ワンテーマ、そして自分から突き放して現れる複数の姿。これを三人称の効能と呼ぶか。自らとは何か、、、語り得ぬも…

映画感想2本

昨日と併せて映画4本。忘れぬうちに、思ったことを簡単に書きとめておく。 『ダークナイト ライジング』 原題はDarkknight Risesなのに、なぜライジングなのか。あれか、レクター博士のシリーズで『ハンニバル ライジング』と合わせたというわけだな。あの原…

milieu, the depth

幸福な時間を!と願う。そう願ったとき、頭の中はだいたいいつも決まっている。本、マンガ、映画。 口元を片側だけ引き上げて「庶民的だね」と言われ、6年前は何も言い返すこともできなかった。今ではどうだろう。言い返せるかどうか、そんな問題ではないこ…

永く永く永い日

この、永く永く永い日。 先日冗談交じりに「あと60年生きるとして、そんなに退屈なことはない」と言ったのだった。いかにも厭世的で、この世を斜めに見透かしているような物言い。しかし、これからそれだけの時間が経つと考えると、気が遠くなる。たとえ宇宙…

学習し、応用する

「必要に応ずる」こと。最近、あらためて痛感された。 実践する立場において、物事を新たに習得する場面によく出くわす。部署を短期間で移った自分にとって、マニュアルを読み直したことがここ数年で何度あっただろうか。 対処方法を場当たり的に一つ一つ覚…

「ところが」

ところが、先ほどまでニヤニヤ笑いを浮かべていたはずだが、彼が指先に示したのは黒く汚れた人差指の爪と自分の家の黒白垂れ幕だった。こちらとしては、今日が彼の父親の葬式だと知っている。彼がなかなか風呂に入りたがらない無精者なのも。 新三郎なんて、…

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◎ ベルセルク ハンターハンター よつばと! カルバニア物語 ランドリオール ○ 鉄腕バーディ ヨルムンガンド

「為すところを知らざればなり」

文章の書き方について

以下の記述は、先日記した感想文に関するもの。本文は後日、当記事に載せる。 断簡、断章。感じたものの記述は、全てを語りつくすことに到達できない。自分自身の考えが語りつくされたと思った直後に、その“足りなさ”は既に生起、滲出を始めている。 当の文…

備忘録。 書く前の、形にならぬものを眼差すような感覚。それは文字にする瞬間に立ち消えてしまう。中にあるものをどのように表現したらよいかわからないのに、ひたすら“求める”ことが先行する。生きているうちに、息をしているうちに。

ジンクスと依存

依存すること。 これは長々と考えてきた一つの主題だった。迷信、伝統、習慣。ジンクス、占い、呪い、これらに深くかかわる人が、現代にも後を絶たず増えているのは、その道に通じたいという理由からではない。“拠り所”が欲しいのだ。 小学生から中学生のこ…

朝、瞑想の失敗

朝。いつもより1時間早い5時に起き、シャワーも浴びず6時に外へ出た。 連休のため、この日は知人の手伝いをすることになっていた。朝、この朝、たった1時間違い、予定が違うだけでこれほどまでに心身の状態は異なるのだった。 *** 通常の日々では、制…

わたしが当のあの場で黙りこくっていた理由を、わたしは今答えることが出来ない。まわりの人々は口やかましく何事かを話し続けていていた。人間観察に関すること、新しい環境に関すること、自分たちと他の集団との比較、冗談めいた口調での陰口、それらは口…

一人称と三人称

三人称で書くこと、一人称で書くこと。形式のみならず質の上でも決定的な異なりがあるだろう。 一人称は、私的なものを掘り下げるために好都合な手段である。ある種突き放したように人を観察するものとは異なって、どのような論理矛盾を持とうとも、語る者が…