学習し、応用する

「必要に応ずる」こと。最近、あらためて痛感された。
実践する立場において、物事を新たに習得する場面によく出くわす。部署を短期間で移った自分にとって、マニュアルを読み直したことがここ数年で何度あっただろうか。
対処方法を場当たり的に一つ一つ覚えていくのもありだろうが、それでは全容を掴むのに途方もない時間を費やしてしまう。かつて身近にいた頭の切れまくる奴らのように、1を聞いて10を知るような真似は到底できそうにない。がんばってみても、2か3が関の山だろう。
そこで、上の「必要に応ずる」ことが大事だと感じたのだった。
人から言われたことだけに対応すればいいのではない。「必要」とは、少なくともその場だけの必要を指すというよりも、将来的な必要性も指して言っている。
推測して、仮説を立て、検証して、ダメだったらやり直し。得たものを確認して、もう一度推測を立てて…と繰り返す。
これは一方向的な作業にしか向かない、というわけでもないだろう。波紋や星印のように、多方向に向けても応用できる。
その際には、それぞれの方向で得られたものを都度突き合わせてゆけば、より効果的かもしれない。互いの関連付けや、全体像をつかむのに意義があるだろう。


もちろん、頭の切れる彼らの考え方を仮想的にトレースしてみるのもよいだろう。
①まず、目の前で起きていること、今読んでいることの“位置づけ”をつかむこと。
もちろん、知りもしないことを知ることはできないから、当たりをつけるしかない。仮説を立てるということだ。
参考材料として、習得するように伝えた者の立場や担当内容、自分の置かれた立場を推測する。自分の立場とは、相手から自分がどのように見られているか、今置かれている状況や立場はどのようなものかを指す。相手については、その人の人間関係の作り方や考える特徴などだろうか。一見関係なさそうにも見えるが、これらが組み合わさって、現在の状況を作っていることには変わりがない。

②徹底的に調べること。
分からないことがあれば、逐一調べること。もちろん、時間は有限だから、肝心要のポイントを絞って調べるのも必要だろう。
他の人に聞いてみるのもよいかもしれない。当然、ポイントを絞って、一番収穫を見込めそうな問いかけをするべきだ。大抵の人は、自分にだけ時間をたっぷり割いてくれるなんてことはそうそうない。だからポイントを絞って、そしてムカつかせずに。

③今学んでいることを、実際の場に対応させてみること。
たぶんこれが一番大事かもしれない。学んだことを一旦、実際の場ではどのようにあてはめられるのかを確認していく。
違うことだってあるだろう。名前は似ているけど、やっていることは似ているけど、実は別物なんてことはある。
こういう感違いは、たぶん視野の狭さにも似ている。もっと、大きな枠組みを見るように、対応関係を比べてみればよい。
もしかすると、自分の都合のいいようにあてはめたいという願望がそのように思わせていることもあるだろう。
大胆に仮説を立て、慎重に検証すること。これを欠かしてはいけない、かもしれない。


たぶん大まかに言って、あとはこれの繰り返しだ。
慣れた環境はつまらないだろうが、見えてくるものをもう一度捉えなおすようにして学んでいけば、面白くもなっていくような気がする。
必要に応じること、あと言い忘れていたけど、マニュアルは二の次に大切にすること。