2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

∞8感想@湿度→濡場

おおいぬ座のシリウスが最も空高く輝く時、ドッグ・デイズと呼ばれる狂気の暑さが襲ってくる。猛暑の中で水分を失った生き物はその別を問わず泡を吹いてひっくり返り、痙攣(ひきつけ)を起こす。駐車中の車の中で赤子はヤニ臭い燻製になる。ミミズは枯れ枝に…

光/闇の知覚による罠

とりたてて執拗に人にとっての全的な光の意義を追求する必要はない。充溢とは量的な集積ではなく、あくまで質的な達成でしかない。眠りの内にある者はそこに浸り続けることを愉しみとし、翻って陽光の下にある者は、その明るみを“我”の明るみに置き換え、よ…

布置とか共時性とか

「ぐうぜ〜ん。これって布置だよ、きっと」 俺は冗談が嫌いだ。布置とか共時性とか言うな。人間の力の及ばないもので、簡単には説明できないものを運命のなせるわざで済ませる軽薄さが我慢ならない*1。しかも「偶然起きたことを“他でもないこの私”が目撃した…

光のとらえがたさ

それながらにしてそれではない――例えば、自らの理想を一つの対象に与える一方で、自身のアイデンティティが全く成立しないような状況。光はそういった人々の願望や妄想を一身に受ける。しかしその熱い眼差しの一切を、伸ばされた数々の手を簡単にすり抜けて…

御陵にて

この腐れた扉を叩くのは誰か。崩れ落ちるのを分かっていながら叩いているのだ。跳ぶが如くに跳ね馬の姿が焼きつき、名だたる武将も散ったそばに、あの着ぐるみ女はいた。先のことを何も知らず、その石段の前で跪きよよと泣いておればいいものを、この世は吾…

「ですので」はダメだ。禁止。

何度も気になっていることだが、「ですので」って接続詞みたいにつけんな。そもそも接続詞にそんなものはないんだよ。 この言葉を使うやつは、とくに関西出身に多いような気がする。知人からメールが来た。 「〜することはできません。(改行)ですので、・…

『有罪者』抜き書き

亀裂した、閃光にみたされた深みの底の底へ投げこまれて、叫ばんばかりに愛すること――深淵の底に在るものを知ることは、もはや問題ではないのだ。私はまた燃えたったまま書いている。もっと先へ行こうなどとはするまい。何も付け加えることはない。空の大火…

胸のむかつき、苛立ち、煮ても焼いても捨てても厄介な代物が、どこから現れたかもどこへ行くかも分らずに漂っている。 それをどうしようというわけではないのだ。それを気付いているのかいないのか、私はその感情そのものなのか、このもてあますような奥底に…

言葉の要らない、しかし言葉では捉えようのないもの。胸のむかつき、苛立ち、言葉にしようのないものはまたどこからきたのかも、どこへ行くのかも分らずそこにあることさえも告げずに「ある」。言述はおろか、知覚も認識さえもかなわないもの。それは己自身…

深海魚や『ディセント』について

言うまでもなく、光は我々の世界に満ちあふれている。少なくとも1日の半分、太陽の恵みたる光を糧として我々は生かされている。もちろんそこには我々が光を糧として受け入れるという進化的過程があったことを忘れてはならない。もし光の少ない場所において生…

メザスヒカリノサキニ…

光の先にあるもの、それは人々の妄想でしかない。そこに「ある」と思っているものなど、人々の願望の照射でしかない。なぜなら、光そのものに実体はなく、よしんば先に向かうことがあろうとも、そこには実在物はありえない。あるとしても、それは単なる光源…

いらばし

それでは私は怨嗟の声をあげよう。 おぎゃあ、いぎゃあ、ああ。ああ、ああ。短い時ではあったけど、なかなかに滋味豊かな舞物であった。人々を喜ばすためにしつらえられたこの舞台もまた、賞讃の晴れ舞台である。今なお栄光にすがりつく亡者もまた、私の味わ…

しかし、けいおん!はいい

今更ながら、またしても、アニメにはまってしまったのでした。ちゃんちゃん。寮の住人が涼宮ハルヒの二期が出るって言ってたことを思い出して、その2週間後に何か検索してたんですよ。だから第8話「笹の葉ラプソディ」鑑賞。次に思い出すのが第二の『らき☆す…

ため息の外

本当に改めて過ぎて、もはや自分に言い聞かせるための言辞でしかないのは分かり切っているんだけど敢えて言っておこう。 ひどい文章って、読めないんだよマジデ。どんなに美辞麗句で飾りたてたって芯がしっかりしてないような頭おかしい文章と言うのは、どん…

「PSYREN」と『インディゴエレジィ』

手元にあったマンガを読んでみる。 「PSYREN」岩代俊明のジャンプ掲載作品。「みえるひと」も良かったがあえなく打ち切り。今回の作品は、単純な目指せ最強系で世界観がガンガン崩壊していくか、あるいは初めッからお色気路線でカオスな悪い意味でのナンセン…