2010-01-01から1年間の記事一覧

刻み傷

そして、私はその思いを忘れぬよう、強い力で刻みつけようとする。苦しみに呻こうとも、その顔が蒼褪めようとも、その突き立てた木の枝を握ったその手を緩めることなく、私自身が苦しむ方向へと徐々にずらしてゆく。 この行為は、えてして誤解されやすいもの…

人への苦しみ

自分でイタイとは分かっていても、鈍感で居られないことはどうしてもあるのだ。 人の敵意、悪意、嫌悪、厭わしみ、それらが自分に向けられているのを知ると、どうしようもないほど居たたまれなくなってしまう。

言祝ぐ

しかし、目の前のことをもどうにも処理できない自身もいるのだ。交際相手を紹介され、初対面の相手に、同性だからといって同じ感覚を期待などしてはいけないし、ましてや何を考えているのかなど違うにきまっているのに、図々しくもプライバシーに切り込み、…

花鏡一節

「〔劫之入〕用心之事」*1 住劫について話が及ぶ。これは「良い劫が停滞し、悪い劫に変質すること」と意味される。劫は功とも書かれ、ともに永い時間を指す。世阿弥は都優位に考えていたのだろう、鄙に居ることで住劫を成すと。しかし差別主義的とも言えない…

日々。

今朝は気持ちの良い目覚めだった。しかし朝から大雨、これでとうとう秋が来る、と思った。電車に乗ると、雨の日らしく臭いが強い。春はこれで目が回り、吐きそうにさえなりそうだった。今でも心地よいわけではない。でもまだ耐えられる。むしろ今日はしこり…

枯れ木に為らんとする事

今日は快い刺激の多い日だった。久しぶりだ…たいていは自分の毛孔を広げては、足らぬ言葉でわけのわからぬ、しかし了見の狭いことばかり言い立てている。たまにはいいだろう。思ったままを出来る限り書いていこう。しかしこれで一日は終わってしまう。肩が痛…

怒るから融け合うへ

そんなに怒らなくったっていいじゃないか。まったくなぜにこんなにも、心の狭いのが多いのか。なにかケチをつけられるかと思うその瞬間、顔が引きつり警戒レベルがカッと上る。馬鹿にされたっていいじゃねえか。コケにされたっていいじゃねえか。そんないち…

布置だとか何とか

いまだに、というか「布置」という言葉に向かおうとする人がいる。深層心理学をかじったことのある者ならば、一度は耳にする言葉である。この言葉が検索されるのを見るたびに、私は妙な苛立ちを覚える。なぜこんな言葉が気になる?これに気を向けていても、…

アステルファム

「おい、おま何見てんだ、足りないんだよ、足が2本に目が2個、口が1つに指が10本。全然足りねえよ。おい、聞いてんのかちきしょう」 「まあ待てって、よしおれがお前のために手伝ってやろうじゃないか。(いきなり腕まくりをする。毛むくじゃらの太い腕、人…

ポリフォニック

そう、こんなポリフォニックな日には……がふさわしい。何かがふさわしい。何がふさわしいのだろう。今日は特別な日だ。特別な日には特別なラッキーアイテムのようなものを準備したい。私に何かを言わせた頭の中の声は、彼女がみずから言えば良かったのだ。そ…

やみ

彼の顔に驚きの表情が浮かび、その瞬間、ああわたしはこの人に伝えられなかったんだな、と落胆する。楽にやろうなんておもっちゃいなかった。ただ思っていることをこの人に伝えることしか考えていなかった。たぶん、意を汲んでもらうことも期待していなかっ…

とけてゆくのだ。

からだが、溶けてゆく。 レヴィ・ブリュールの融即*1ではない、これは何か。体を締め付けられ、そして締め付けているのは他でもない自分自身であるということ。「何者でもない」こと、それが妙な形でこの世に生まれようとしている。確かに私は誰でもないのだ…

「目」がある

「何者でもない」ということ。当然、口にする者によってそれは様々に姿を変える。誰でも知っている。例示しよう。何の地位も持たない者であれば、存在価値を見いだせないという、苦しみの声。何かしらの地位・評価があれば、アンチテーゼ(…何がアンチテーゼ…

流れ、様相

言葉が現れるよりも先に、芸術的表現が現れるという。絵画、陶芸、彫刻、そういったものでイメージが表される、と。そこでは人々のパーソナルな部分が表され、文化的側面も十分に影響しうる。何らかの形での「光」。そこには様々な形式での表現が見出される…

茫洋の海、屹立する知

ことばにもならぬ音を発し続けていることにどれほどの価値があるのか。ここでは、あるとしか言いようがない。もちろん、それを言葉として認識できる程度の狭量さしか持ち合わせていない私たちにとっては、言葉とは単なるフィルターでしかないのだが。ここで…

書くこと、向き合うこと

そうでなくて、また論点から勝手に逃げて世迷言に走ったのですが、まあどうすんでしょうね。自分に向き合うっていうのはなかなかない経験なんですよ。剥き身で立ち向かうような経験です。私の場合はそう、人から悪意を向けられたときにそれに近い感覚があり…

「書き手になる」、その業のこと

また忘れてしまう前に書いてしまおう。吉本隆明の言らしいが、どうやったら物書きで食べていけるのですか、という問いに対して、毎日(20年間??)、一文字も文章を書けなくても原稿用紙の前に座り続けていることができれば物書きになれる、と応えたと。これ…

「場」としての言葉

すでに私は何かに取り憑かれたかのようにうわごとを口走っているのは分かっている。しばらくここで書き続けるのをやめることは出来ないだろう。 ここでもう一つ検討したいのは、場としての言葉だ。最近気付かされたことの一つである。知り合いの女性は言った…

「〜であるにもかかわらず」

世界が轟音とともに亀裂を走らせ、自身が立っているところなどないかのように地はひっくり返る。転変する。転覆する。分かり切ったことなど何もないと分かっているはずなのに、何かを分かったかのような気になって、つい私は足を滑らせる。そういったことに…

数日のコマ

ここ数日で思い出すもの。 「アイアムアヒーロー」(花沢健吾)のゾンビ。頸から上も膨れ上がって眼球と舌がはみ出した、あの顔。 「しまいもん」(IKARIN)の体が入れ替わってまぐわいしたもっさい男女。おれがおまえでおまえがおれで……。 いずれも考えてみれば…

収束

身体的パフォーマンスがイメージによって行われたとき、これまでにはない感覚が通った。スポーツとは、ある種の強制力を持つ。自身が試みたことが実を生さないと、過剰に振る舞われた身体は保留され、煽動された内面が動揺を起こす。もともとスポーツは苦手…

関心

以下を本日の起点とする。 内的体験への注意は、ある種のアンプとしての働き(増幅)をもつこと。 過当であること。過剰な行為・状態にあり、それを認識しておくこと。 言説を表明すること自体が快楽にあること。

第3教室 第2話

そういえば、先週モーニング・ツーを買ったのだった。現在の注目株はやはり「第3教室」。前回の教室でのやりとりで、異物・主軸として期待されたのは教師阿佐田の姿をした何者か。あるいは傍観者の少年。前回は興奮していくつかの予想をしたにも関わらず、今…

いくつかの約束事。

自分がしたいと思うことの反対をやらせること。一切の放下。限界に追い込み、狂気にまで追い詰めること。

マンガ2冊

本日購入分は、冨明仁「柔らかい女」/矢島正雄×Boichi「ラキア」3巻/安彦良和「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」21巻。ガンダムは買うだけ買って読み上げていないので保留。 冨明仁「柔らかい女」…表紙からとてもよい感じ。やわらかそうな肢体、もとい乳がとて…

否、イメージ、行為、言葉

さて、今夜も益体もないことをいつものように垂れ流すことにしよう。 一定量の圧力下で鬱積した言葉にならぬイメージの切れ端は、まるでスープの中の野菜のようにその残遺を漂わせている。これまで、いたずらに口を開いては益体もなく、しかも乾燥し切って意…

かせ、のろい、あくい

その場でしか物事を判断できない、というのは私にとって忌み嫌うべき対象ではある。しかし、しかし、自身の利害が目の前に突きつけられるとき、そしてそれに即するような対応を許されるとき、どうしても自分自身がその陥穽へと嵌まってしまう。王国記1「ゲル…

田口佳宏「第3教室」

モーニング・ツー、vol.35にて連載開始。初めから飛ばしている。大丈夫なのか、とすら思う。3年3組の担任となった老教師が教室に入る直前に天啓のようなものを受け、生徒たちを暗示のもとでコントロールし始める。作者はいったい何を始めようというのだろう…

何か。

知らず知らずのうちに溜まっていたものがある。それは糞便のようなもの。空気のようなもの。今まで見続けてきたものが、気付かぬうちに色を変えて――腐ってしまったのか、あるいは別のものになったのか――見たこともないような姿をしている。そんなことがある…

「問題の所在」へのイシキ

問題の所在をはっきりさせようと、私たちは時に躍起になることがある。その際に必要とされるのは、人間の理性。そして少々の感情。この2者を対立概念として捉えるあたり未だに旧態依然とした思考を脱しきれていないのは明白だが、そこを今問い質すと論旨も糞…