日々。

今朝は気持ちの良い目覚めだった。しかし朝から大雨、これでとうとう秋が来る、と思った。電車に乗ると、雨の日らしく臭いが強い。春はこれで目が回り、吐きそうにさえなりそうだった。今でも心地よいわけではない。でもまだ耐えられる。むしろ今日はしこりなく居られる。
そうだ、私は枯れ木になろう。誰にも気付かれず、すべてが風のように私の外を、内を通り過ぎてゆくように、私は枯れ木になろう。足音も立てず、呼吸の音もせず。ただ穏やかな笑顔を浮かべ、誰の目にも留まらないようなモノとなろう。何か起きたとしても、私は息を凝らし、何も起きていないかのような姿を取り続けよう。この日、思えば多くかかわりのある日であった。ベンチに座る女性は、「なんかもう嫌になってきたわ。先生にはガミガミ怒られるし、行きたくない」と涙を浮かべる。元気な同僚がやってきて、コピーはどうするのか、この裁断機はどうやって使うのか。あるいは内線があり、君の打ち込んだデータ、プログラムにミスがあった云々。しかし「何も起きていない」。正確に言えば、私の中では「何も起きていない」のだ。何にも惑わされるまい。あなたの声は私を脅かしなどしない。私はあなたに寄り添い、あなたの目を逃れる。
帰り道、読んでいたのはバタイユの「エロティシズム」第三章『生殖に関する禁止』。

西洋の諸文明において裸はかなり重大で一般的な禁止の対象になった。しかし現代ではその根拠と思われてきたものが疑問視されている。このように変化が起こりうることを私たちは体験しているが、だからといって禁止には恣意的な意味しかないということにはならない。逆にこの体験は、変化にもかかわらず禁止が持っている深い意味を証しているのであって、そのような変化はそれ自体さして重要でない点に関わる表面的なものにすぎないのだ。…

音楽はなるべく強めのダンスミュージックを。Fatboy Slim 'Push The Tempo' やZongamin 'Serious Trouble' のPVのように、外からのものが自身の身体を内側から引き摺り回すように。はずむように、切り崩されるほどに。それでも冷やかなままで。

Fatboy Slim 'Push The Tempo'

Zongamin 'Serious Trouble'