言祝ぐ

しかし、目の前のことをもどうにも処理できない自身もいるのだ。交際相手を紹介され、初対面の相手に、同性だからといって同じ感覚を期待などしてはいけないし、ましてや何を考えているのかなど違うにきまっているのに、図々しくもプライバシーに切り込み、一人で踊り回すような真似をしている。愚か。愚劣の極み。黙って聞くこと、それを促すこと、それを学んできたのではなかったか。しかしそれでも、私は感覚的な理解が得られず、10も離れた若者を引きまわすような真似をしたというのだ。一体あれはなんだったのか。異物の残遺が、そこかしこに散らばり、放ったままになっている。