本の架空

重要なのは本の実際の中身ではない。「私はこの本に何を期待し、どのような物語を想像する?」だ。たとえ中身を知ったところで、それが私なるものを豊穣にさせるとは限らない。それはそれ、なのだ。
これだけはしっかりと認識しておきたかった。
『無分別』(オラシオ・カステジャーノス・モヤ)。この本の前情報は欲しくなかったが、仕方あるまい。
異なる地平との関連性をこじつけてはならない。だから、読んではならない。さあ、「どのような物語を想像する?」「え、わかんない」じゃないよ。理屈で答えるんじゃないよ。正視できないことを正視しろ。