光/闇の不均等さ

迷いを闇とし、悟りを光とする。これは、闇が環境・状態であるのに対し、光は瞬間の現れであるという点で不均等なもの。しかし光を、闇を打ち破るもの、というだけでは理解ができない。2つの相に本当に分けられるものか?闇は光が当たらぬ場所であるなら、光は闇を打ち破る場所として一見すると拮抗しているではないか。お互いに侵犯的であり、お互いを優越しようとする。見えるというただ一点、人間の知覚という点のみにおいて、我々はこれを光の優越とする――しかし、光と闇の混成によって事物が見えるという現象学的理解*1にはどう対処するのか。

*1:『風の現象学と雰囲気』晃洋書房 2000 あたりで読んだような。メルロ=ポンティがどうとか。