足場、「た」からくじ。

重要なのは柔軟であり、自由ならんとすること。虚無的ではない。虚無でさえない。「わたし」は不文の仮構によって自身に形を与えているだけだ。すべての営為は恣意である。「価値」は存在しない。同様に、性もなければ生もない。そうやって、かつて思想家は相対化を図った。虐げられた者の復権のために。硬直した世界を覆すために。しかしそもそも、基盤などない。復権さえも。転覆も。そうしてめぐる。あるいはとどまる。一瞬にして永遠、永遠にして一瞬。胡蝶の夢。あらゆるものは別のものでもある。彼は我、我は汝。