選に漏れる、という夢

夢を見た。
選に漏れた私は、両手を初めからもがれたかのように、立ち尽くしていた。別に選に入ったからと言ってどうなるわけでもない。私が少し、きまぐれに、精を込めて作ったものを人の目に晒し、大勢のものと競わせようと思っただけだ。大して期待もしていなかった。ただそれだけだった。
しかし選に漏れた今、これをいかに評すか。まるで両手をもがれたようであり、飛べるはずの翼が初めからなかったようでもある。気遣われている。人並みの言葉をかけてもらっている。それでも、抜け落ちた両手に代わる言葉が与えられるわけでもなく、この体と思念が風化してゆくことだけが決まっているのを、見せつけられるような思いになる。