曠野

薄皮を剥ぐように、精神を切り詰めた先に見える風景を少しずつ書きとめること。細く長くなど、生きんがための愚行は犯すまい。ただ太く短くでもない。愚鈍の塊でもならない。行うべきはこの肉体と精神全てを賭け金に代えてぶちこむこと。限りなくストッパーを外して賭けの材料に充てること。うつ状態を人格の一部として徹底的に組み込むこと。病態として遊離させないこと。私はこの世の果てを見たい。ヨハンの背に広がった荒野のように、物質的恍惚の中で繰り返し語られる世界のように。その、果てを。