先週の話合い

走り書きのようなもの。そうか、あの場では件の大震災で「何かが変わった(?)」と議論されたのだった。曰く9.11以降に世界が変わってしまった、というように。その中である方が多くの時間を自らの発言に費やしていたのだが(私はとうとう朗読以外一言も声を発さなんだ)、彼の言ったことは、「3.11以降、何かが変わってしまった。それは芸術の領域でもそうだ。今まで散逸していたものを纏めようとする動きがある。例えば東浩紀「思想地図」の動きだ」云々。この発言自体はそこまで反論すまい。しかし同様のことを、材料を変えてしきりに語っている彼の姿をそのときちらりと見たのだ。彼は、何か自分の中から突き上げてくるような不安を抑えるために、ここで起きていることを必死に整理しようと主張しているとしか見えなかった。疲労によるほうれい線深く、眉間に立て皺を刻んだその顔でいまそんなことを言ったのか。あまりに必死であるのに吹き出すのをこらえていたが、今思うとあの彼の表情にはどうも憐れみさえも抱いてしまう。