観ていない映画たち

とっくの昔に上映終了している映画に限って、「ああ、見とけばよかった!!」と腹が立つのはなぜだろうか。逃した魚は大きい、というやつなのだけど、取りあえず今回は「インセプション」と「ベスト・キッド」、「キャタピラー」と「ミックマック」だけは必ず見るのだ。しかし、あの「人間失格」が荒戸源次郎監督だったとは……!!!!これは地団太踏んでもいいくらいの悔しさ。小畑健が文庫のイラストを描いたり、集英社の人気連載陣がこぞって名作と呼ばれる作品のイラストを手掛けるものだから、映画もまたどこかの監督が時流に乗ろうと作ったのだろう、主演も堂本剛によく似ているわい、まったくそんなんだからブツブツ……と胸の中で悪態付いて、マンガをしこたま買い付けることを繰り返して、あれから半年たったのだろうか。いい役者が出ていることもつゆ知らず、大楠道代石橋蓮司寺島しのぶ小池栄子伊勢谷友介、ああもう!このやろう、俺のバカ!!腹立たしい、腹立たしいわい!!たぶんこの調子だと結構見てないんだなあ。あ、あと「乱暴と待機」もチェックが必要である。「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」から何とも言えない妙な雰囲気の映画を作り出させる、これは本谷有希子のなせるわざなのか知らないが、それだけ今まで感じたことのない、饐えた女の子臭というのか、そういうのって全然ぼくは嫌いじゃないんだけどぶふう、でもドライな、というか女の子という湿り気さえ感じる(はいすみませんでした!!)イメージに対して自分の持っているその性根のようなものが原因してどうしても「乾いている」ようなそんな視点が好きなのである。浅野忠信もチェックである。最近は「キャタピラー」つながりで知人に丸尾末広版「芋虫」を紹介してみてはどうだおれはもう「キャタピラー」の予告編からあのイデオロギー的なものを感じ取っていたんだが、こっちのほうがなんというか人間の名づけられない人間的な部分をものすごくよく書き出してないか、みたいな評論家ぶったことを言っては勧めたり、そういえば「乱歩地獄」は無茶苦茶面白かった。当時たて続けに3回見て、3回とも打っ倒れそうになるくらい衝撃を受けたってどんだけナイーブなんですかって感じだがまああれもけっこう面白かったんですよ。浅野忠信とか、緒川たまきとか、成宮寛貴とかよかったなあ…。色気があったよ。つうかさ、若松孝二監督がイデオロギー的でないってそれどんなふりかけごはんなのか、と。そういえば「ワカラナイ」だって(以下中断。こんな感じで夜が更けていくのであった)