瞑目

音に続き、視覚について。
瞑目は内省の際に有用であると思われ、朝まだき間に行うのだが、朝以外では心を鎮め、自身の体の動きを視覚ではない感覚に基づいて行わしめる。行為自体が視覚に依存したままならば、逆に不安が生じる。見ることのできない世界に恐れる。手さぐりと想像を働かせる時、イメージが駆け巡って検証に次ぐ検証を始める。勇み足で世界を構築する。このとき、自分が何をしているか内省的に関心が向かっていることも多い。行動を前提とするのではなく、思考と想像に基づく行動を取るため、手指の触れや関節の曲がり具合と体重のかかりゆき方までが検討の範疇に入る。そしてその思考と想像、そして感覚の揺れが見せる世界を味わい、到底完全にコントロールできようにもないものが思考の全面を覆うほどにあふれ出る。