自家中毒

自分の文章が一番嫌いかも知れない。
何を言おうともまずは自分が自分に対して最も感情移入しているからである、なんて言うと身も蓋もないが、それはどうしようもなく真実なのだ。くだくだと訳の分からないことを言って、自分の言いたいことの何割を言えているのか分からない。しかもそれはクリアカットに示されているどころか、まるでマンドラゴラを無造作に引き抜いてそこらに放っているようなありさま、いつまでたってもその叫び声は鳴りやむことはない。いや、もしかして叫んでいるのは自分かもしれない…いずれにせよ、この倒錯と愚かさがないまぜになった自分の文章との関係は本当に恐ろしくてしょうがない。もっとも分かりやすく書けよ!といつも思う。自分のお脳のできがいいといっているのではなく、むしろその逆だ。下手にこねくり回しているものだから、ちっとも分からない。死ね、と毒づいてみるが、自分のくされた文章がそこにあるだけであ、その呪いの力なんてあっという間に消えてなくなってしまう。もっと、分かりやすく、もっと分かりやすく。そう自分に念じ続けて、そして最後に、自分に対して愛の告白をしてやれば、いくぶんか関係も改善されるのだろうか。ムカついてきた。唾を吐いてしまおう。タンツボ持ってこい。