Jakig=anの呪われた力

症例1:32才男性の記述 中二病症状:誇大妄想、徘徊癖、軽度の自傷


この世には最も呪われた人間がいる。ジャキグ=アンの能力所持者だ。残念だが俺は、産まれついてこの能力に苦しめられてきた。俺は14の時、人を殺しそうになった。ジャキグ=アンの能力が発動してしまったからだ。あの時は、暑い日だった。町には屑どもがバカみたいな顔をして溢れかえっている。その時だ。突然俺の中で誰かが、俺に語りかけてきた。「お前の魂を奪ってやる、お前は私の配下になるのだ…」俺は抵抗した。しかし、俺の腕はすでに妖気を放ち、禍々しい黒色の竜が指先から浸食を始めていた。「やめろ、いったい誰なんだ!!こんなもの、かき消してやる!!」「クックックック…私が簡単に消えるとでも思っているのか。愚かな奴め。私がソグディア、宇宙王傑グヴァルス属を知らぬとは。前を見てみろ。私のソレストリアル系精神操作により5人の若者を刺客として放った。さて、これが止められるかな?」俺の前には、精神操作を受け、髪が逆立った悪魔へと変貌した男たちがいた。「貴様ァァ!罪のない人間を利用しやがって!」俺は奴が許せなかった。「今だ・・・ジャキグ=アン発動!!」なぜか、俺は知りもしない能力の全てを知っていた。俺は迷いなく、彼らに向かっていき・・・そこで意識は途切れていた。気がついたのは夜になってからだ。俺は自分の服が破れ、血にまみれているのに気がついた。明らかに自分のものではない血が付いていることで、俺は悟った。何ということだ・・・俺はとうとう人を殺してしまった・・・罪のない人間の魂を奪ってしまったのだ。この呪わしい能力のせいで・・・。起き上がると、体中の節々が軋んだ。能力を使ってしまった代償だった。今ではソグディアの声は聞こえない。悪魔を消滅させるとともに、俺の中に巣食う奴を封じ込んだのだ。しかし、俺はあの日から度重なる能力の発動に悩まされてきた。と同時にあのとき封じたと思っていたソグディアは、俺の封絶を破り、悪魔を放ってくるのだ。俺の人生は戦争に彩られていった。彼らは夜を好んで現れる。精神の弱い人間を操って攻撃してくるのだ。二重の苦しみを背負いつつ、俺はいつしかこれが当然のように思えてきた。もはや、殺すか殺されるかなのだ。永遠に続く孤独な戦い、いつ俺は解放されるのだろうか・・・。